大手メーカーの新入社員研修の実態
こんにちは、Ree(@nukeoxo)です。
弊社の研修には、事務系と技術系が一緒に行う導入研修(1ヶ月)と技術系だけが行う工場研修(1ヶ月)があります。導入研修は会社が保有している研修センターで行われ、工場研修は全国の各工場で行われます。
就活を終えた学生、また就活中の学生の参考になればと思い、大手メーカーの新入社員研修の内容を書き残そうと思います。
大手メーカーにおける新入社員研修の目的
最低限のスキルの習得
新入社員のほとんどは社会人の経験がありません。当然、社会人として身につけておくべきマナーや知識もほとんど知らないです。
会社に入ると、お客さまや取引先の方々など、多くの人たちと接することになります。相手に失礼のないよう、また、会社のイメージダウンにならないよう、社会人に必要とされる最低限のスキルを習得させます。
社会人としての自覚を持たせる
学生気分が抜けていない新入社員は多いです。実際、僕もその中のに1人でした。
長い研修を通して新入社員の意識を変えて(≒洗脳)、立派な社会人になってもらうのが一番の目的といってもいいでしょう。
横のつながりを作る
社内に同じような立場の人間がいるというのは、心強いものです。
新卒であれば、同期はほぼ同年代。学校でいえばクラスメイトのようなものですから、先輩社員にはいいづらいことでも、同期であれば話しやすいこともありますし、悩みを共有できるといったこともあるでしょう。
また、異なる部署間での情報交換や連携ができることもあります。研修は、新入社員が同期同士でコミュニケーションをとり、横のつながりを作ることができる場でもあるのです。
カリキュラム①:導入研修
1ヶ月の導入研修ですが、ざっくりとしたスケジュールは以下の通りです。
第一週目:座学
第二週目:グループワーク
第三週目:ビジネスマナー
第四週目:英語研修
それぞれ詳しく見ていきましょう。
第一週目:座学
最初の一週間は社長や役員のありがたいお話をひたすら聞きます。
朝9時から夕方17時までひたすらです。
お偉いさんの話は決まって長くつまらないものです。当然睡魔が襲っていきます。
もちろん社会人なので寝ることは許されませんが、僕は耐えられずにいつも寝てました。さすが低学歴。期待を裏切りません。
第二週目:グループワーク
二週目はグループワークです。インターンでは定番の課題解決型ワークをやりました。
この時のメンバーは東大、京大、東工大、東北大、阪大、早稲田、そして僕です。学歴コンプなら発狂して泡を吹きながら倒れるでしょう。
さて、みなさんは「高学歴でも無能なやつはいる」という意見を耳にしたことはありませんか?確かに高学歴でも無能なやつはいるでしょう。しかし大手メーカーに入社してくる高学歴は控えめに言っても有能です。
グループワークの課題が発表されるやいなや、司会進行、書記、タイムキーパーが決まります。そして華麗な司会進行のもと、湯水のごとくアイデアが生み出され、活発な議論が行われます。
課題自体ろくに理解できていない僕には何が起きてるのかさっぱりわかりません。みんなが提案している解決案が本当に妥当なのか理解する前に議論が終わります。当然、何も発言していません。
普通の人ならここで奮闘し、何とか周りに食らいついていくのでしょう。ただ僕は違います。
『有能マンが勝手にやってくれる!何もしなくていい!最高!!』
という発想になります。そしてただ相づちを打つだけのマシーンになります。
これが低学歴の処世術です。文句を言うなら僕を採用した人事に言ってください。
第三週目:ビジネスマナー
三週目はビジネスマナー講習です。
名刺交換、電話対応、ビジネス文章の書き方など基本的なことを学びます。特別なことは何もないので割愛します。
第四週目:英語研修
ラスト四週目は英語研修です。ネイティブ講師を招きTOEIC対策&英会話の実践を行います。
TOEIC対策は個々のレベルに応じてクラス分けされるのでまだ何とかなるのですが、英会話は何故かランダムにクラス分けされました。そして帰国子女の英語ペラペラマン達と一緒に授業を受けることになります。
英会話の授業は英語ペラペラマンを基準に行われるため、講師が何を言ってるのか全く理解できません。常に2倍速で話しかけられてる感じです。
ときどき講師に質問されるのですが、何も答えられずただヘラヘラするしかありません。その時の講師の不満そうな顔、同期の冷ややかな目、思い出すだけで涙が出てきます。低学歴イジメとして訴えようと真剣に悩んだ1週間でした。
カリキュラム②:工場研修
導入研修を終えると、技術系だけ工場研修に行きます。
研修先の工場は、自分の専攻や配属希望とは無関係で完全ランダムで選ばれます。なので専門外の全く興味のない工場で研修しなきゃいけない人もいます。
三交代勤務の体験
工場研修の目的は現場を知ることです。
現場を知るとは日々の生産を支える三交代勤務の働きを理解し、そして同じ三交代勤務で働くことで、その厳しさを体験することです。
三交代勤務とは朝勤、昼勤、夜勤の三つの勤務時間を1サイクルとして回していく勤務形態です。生産の現場では24時間装置が動き続けており、途中で生産を止めることが出来ないので、このような勤務形態が採用されています。
『三交替勤務の体験』と聞くと、力仕事や危険な作業をさせられると思いがちですが、非力な新入社員に怪我でもされたら会社の信用問題に関わるので、基本的には雑用しか任されません。
はっきり言って超暇です。もう一回言います。超暇です。
僕が配属された工場は1階に生産ライン、2階にデスクワークスペースという構造だったので、デスクワークするフリをして2階でずっと寝てました。
生産ラインのおっちゃん達は通常業務に追われているので、わざわざ2階に上がってきて実習生が起きてるか確認しません。絶対にバレないのです。
いかに工場研修をサボるか、そればかり考えていました。
まとめ
大手メーカーの新入社員研修は導入研修と工場研修の2つあります。
導入研修では座学、グループワーク、ビジネスマナー、英語研修が行われます。
工場研修は超暇で簡単にサボることが出来ます。
入社を控え、新入社員研修に不安を抱いている学生は多いと思います。
しかし、実態は至って平凡です。恐れることはありません。
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