理系院卒の苦悩

大手メーカーに就職した低学歴の苦悩の日々を綴ります

「なぜ、2時間営業だけでうまくいくのか?」を読む

[大西 益央]のなぜ、2時間営業だけでうまくいくのか?

こんにちは、Ree(@nukeoxo)です。

 

ロザンの菅ちゃんがおすすめしていたので読んでみました。

結論から言うと全然おもしろくなかったです。

どんな話?

海外で成功した日本人ラーメン店主の自慢話。

 

もともと著者は日本でラーメン店を2店舗経営。

連日行列ができるほどの人気店であり、テレビで紹介されたことも。

 

勢いに乗り、事業拡大のためハワイに出店するも大失敗。

その後、別の店で雇われ店長も経験するが1年程度で辞めることに。

 

このような失敗の原因は「本気で仕事に取り組まなかったから」と分析する著者。

「本気で仕事に取り組む」ためには「終わりを決める」ことが大切だと気づく。

 

自身の性格を踏まえ、「1000日間だけ営業する店」というコンセプトを考案。

(1000日に意味は無く、直感で決定。100日は短いし10000日は長すぎるみたいな適当な感じ)

 

上記コンセプトを売りとしてアメリカのボストンに出店。

(出店理由は何となく「いい街」だったから。なんじゃそりゃ。)

 

本気で仕事に取り組んだ結果、お客さんも集まってお店も繁盛したよ!

というクソ結論でフィニッシュ。

見解

「終わりを決める」ことで「本気で取り組むようになる」という主張はわからんでもないが、事業失敗の理由が「本気じゃなかったから」というのは、余りにも浅い分析である。経営者としてどうなの。

 

そして、「本気で取り組む」と言っておきながら、このラーメン店は2時間しか営業していない。さらに、2時間営業の理由については一切書かれていない。(なんで?)

例えば、「本気で仕事に取り組み、仕込みや調理にこだわり抜いた結果、2時間しか営業時間を確保できない」ということなら納得できるが、何も書かれていないため「本当に本気なの???」とモヤモヤが残る。

 

タイトルの答え合わせになるが、2時間営業でもうまくいく理由はラーメン1杯2000円という高価格で提供しているからだという。しかし、2000円という高価格でもお客が集まる理由は案の定書かれていない。そもそも2000円という価格は、2時間営業で利益を出すために逆算した結果であり、2時間営業の理由が不明な以上、どうして2000円で提供する必要があるのか全くわからない。

 

「なぜ、2時間営業でもうまくいくのか?」とタイトルにするぐらいなら、2時間営業の理由を明確にした上で、うまくいく理由を書くべきである。「本気で取り組んだから成功した」とかそんな根性論は誰も求めていない。思うに、「1000日で店をたたむ」というコンセプトと「1杯2000円」というプレミア感が偶然アメリカ人にウケて成功しただけだろう。ただ運がよかっただけだ。

 

 

本書後半では、こんな再現性のない成功体験の秘訣をダラダラと書き綴っている。

  

・言い訳しているうちは今を楽しめない

・自分の意志で動くと楽しい

・「本気」は楽しい

・「かっこいい」を目指そう

・「プライド」を捨てよう

・必死でやれば疲れない

・常識に従っていては生きていけない

・自分の「最高だ」を信じよう

 

自己啓発本にありがちな薄っぺらい言葉の羅列であり読むに堪えない。編集者はこの文章を読んで何も思わなかったのだろうか。本気で仕事に取り組んだのだろうか。

最後に

色々書きましたが、本書のAmazonでの評価は意外と高いので、読む人が読んだら楽しめるのかもしれません。個人的には全くおすすめしませんが、暇で暇でやることがない人は読んでみたらいかがでしょう。

 

なぜ、2時間営業だけでうまくいくのか?

なぜ、2時間営業だけでうまくいくのか?

  • 作者:大西 益央
  • 発売日: 2020/02/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)